どうして測量学は1年生前期の科目なのか
高校までの授業は数学や国語といった教科単位で行われます。大学にも数学はありますが、それは今後のため、例えば専門科目を学ぶためや社会に出てからのためと目的がハッキリしているところが高校までと違います。(高校の数学にも入試に克つという目的はあるのですが。)
そして、大学の授業は教科ではなく専門分野ごとになっています。なので、大学のカリキュラムでは科目とは言いますが、教科とは言いません。そして、それぞれの分野を深く掘り下げられるように分かれていて、どれも実践的な内容であることが特徴です。
測量学は、そんな専門科目のひとつであり、新入生が最初に出会う専門分野の授業のひとつです。それでは、たくさんある専門科目のうち、なぜこの科目が最初に出会う科目になっているのでしょうか。
測量学とは、字のごとく「測る」ことを学ぶ科目です。相手は地形なので、測るものは距離や角度ですが、その方法は小学生でも知っています。ではなんでそれが大学の科目になるのか。それは、測ることすら難しいから、測れたとしても誤差が含まれるからです。相手が大きすぎて定規では測れません。分度器では小さく見える1度も実用レベルではザルのような粗い単位です。そこで特別な機械を使うわけですが、それでも誤差は消せません。測量のプロたちも、やはり誤差と格闘する日々を送っています。
そんなわけで測量学は、簡単に言うとどうすると精度よく測れるかを考えることと、その結果から確からしい値を求めることを学ぶ科目ということになります。確からしい値を求めるのも結局は長さや角度なので難しい計算にはなりません。つまり、難しくはないけれど高校生の頃の勉強とは攻め方が全く違う、こんなところが大学生の勉強を始める最初の科目にはピッタリなわけです。これが質問の答えです。
むずかしいかな、と思ったら、勉強の取り組み方、攻め方を変えてみると上手く回るようになるかもしれません。
(文責:渡辺浩)